ねえ ガラクタと化したこの世から
吶 從這個已經化作了廢墟的世界中逃離
逃げるのは容易いはずなのに
明明應該很容易才是
未練がましく息をしている
在依依不捨地呼吸著的同時
屋上のフェンスを摑む手が凍みる
緊握屋頂上鐵柵欄的手逐漸凍僵
剝がれかけの夢が饐えていく
正在脫落的夢境逐漸腐壞著
あまつさえ 痛みで眠れない
還因為疼痛而無法入睡
雨に濡れた路地裡の隅で
在被雨水淋濕了的衚衕的一角
顔の無い貓の死骸を見た
見到了一隻無面之貓的死屍
今日もまた群眾に溶けて
今天也仍然只會在群眾中間
右に倣うだけの愚かな僕
隨波逐流的愚蠢的我
人生という名の檻の中で
在名為人生的牢籠中
罰が下るその日まで怯えている
始終懼怕著降下懲罰的那一天
どうか 醜いくらいに美しい愛で
請用那已經到了醜陋程度的美麗的愛
この心を抉ってくれよ
將這顆心挖出來吧
見えない救いに手を伸ばすように
為了能夠向目光所不及的救贖伸出手
いっそ 癒えないくらいにぐしゃぐしゃに裂いて
不如就好好感受下這壓迫撕裂到
生きているって感じさせて
再也無法癒合的程度的生命吧
零れた感情を一滴殘さず
給我將從中溢出的感情一滴不剩地
傷を負うまで痛みは知らない
唯獨請讓我裝出直到背負了傷口之前
悲しいふりしていただけだったんだ
都還不知道疼痛的這份悲傷吧
ぼろぼろに潰した理想の瓦礫から
在理想被擊潰成一片破爛不堪後的瓦礫之中
這い出た芽は何を見る
爬出來的新芽將會遭受些什麼呢
神様、教えて僕達に
神明大人,請教教我們
正しい人の生き方を
什麼才是人類正常的生活方式吧
いつだって人は薄っぺらな
在無論何時人類都以自己膚淺的情感
情で不幸を哀れんだ
同情著他人所遭受的不幸
優しさで人は救われる?
用溫柔的態度可以將他人所拯救嗎?
いつかは僕も報われる?
什麼時候我也能獲得回報呢?
死にたいとか宣うだけの日々
在僅是宣言著想要死去之類的日子裡
だれの心臓にもなれない
根本無法成為任何人的心臟
どうか 醜いくらいに淺ましい聲で
請用那已經到了醜陋程度的悽慘的聲音
赦しを乞う 僕を裁け
將乞求著饒恕的我所制裁吧
命の輪郭を伝う雫は
沿著生命的輪廓流下的露珠
こんな 無様に歪んだ僕らの未來を
扭曲成這般狼狽模樣的我們的未來
神様が嗤っているの
被神明大人不斷嗤笑著
今日も 相も変わらず
今天也為依舊沒有改變
答えの無い問に苦悩している
連答案也不存在的問題所苦惱著
グッバイ また會えるその日まで
再見 直到再次相會的那一日
彼は遺書を綴りながら笑う
他一邊為遺書綴句一邊笑著
人間という怪物はここで
名為人類的怪物在這裡
罪をいくつ繰り返してきただろう
千萬次不斷重複著自己犯下的罪行
どうか 醜いくらいに美しい愛で
請用那已經到了醜陋程度的美麗的愛
この心を抉ってくれよ
將這顆心挖出來吧
見えない救いに手を伸ばすように
為了能夠向目光所不及的救贖伸出手
どうか 醜いくらいに美しい愛で
請用那已經到了醜陋程度的美麗的愛
この心を抉ってくれよ
將這顆心挖出來吧
生きていたいなんて願った
請將居然希望能夠活下去什麼的
あの日の僕を殺して
那一日的我所殺死吧
按照弗洛伊德的學說主張,這種學說認為每個人的身上有一種趨向毀滅和侵
略的本能。而達衝動起初是朝著我們自己本身而發的。弗洛伊德認為這個死亡的本能設法要使個人走向死亡,因為那裡才有真正的平靜。只有在死亡--這個最後的休息裡,個人才有希望完全解除緊張和掙扎。生命由無機物演化而成,人從黑暗、溫暖而平靜的子宮而來。睡眠與死亡的境界與人所來自的地方條件相似,所以生命一旦開始,一種意欲返回無機狀態的傾向隨之而生,這就是死亡本能的來源。
平常所謂的攻擊驅力,可以說就是死亡本能的衍生物,只不過只將毀滅的對象從自身轉移到他人而已。當指向外界的攻擊驅力因受到障礙而無法滿足時,便會轉向攻擊自己(例如自殺)以圖自我毀滅。它是促使人類返回生命前非生命狀態的力量。死亡是生命的終結,是生命的最後穩定狀態,生命只有在這時才不再需要為滿足生理慾望而鬥爭。只有在此時,生命不再有焦慮和抑鬱,所以所有生命的最終目標是死亡。死亡本能派生出攻擊、破壞、戰爭等一切毀滅行為。當它轉向機體內部時,導致個體的自責,甚至自傷自殺,當它轉向外部世界時,導致對他人的攻擊、仇恨、謀殺等。
昔々。神様が人間の形をしていた頃のお話。
這是很久很久以前,在神還具備人之形體時發生的故事。
神様はとても大きな力を持っていました。
神具有極為強大的力量。
神様はとても優れた知恵を持っていました。
神具有無人能比的智慧。
人間たちは神様を崇め、畏れ、謳えました。
人們崇拜、敬畏、歌頌著神。
ある日、優しい人間がお願いをしました。
有一天,善良的人許下了願望。
永遠の命が欲しいと。神様はその願いを葉えてあげました。
許願得到永恆的生命。神實現了這個願望。
ある日、慈悲深い人間がお願いをしました。
有一天,大發慈悲的人許下了願望。
惡しき者に裁きをと。神様はその願いを葉えてあげました。
許願為作惡之人降下制裁。神實現了這個願望。
ある日、神様が最も愛する人間がお願いをしました。
有一天,神最深愛的人許下了願望。
自分も神様になりたいと。神様はその願いを葉えてあげました。
許願自己也能變為神。神實現了這個願望。
その日から、神様にお願いをする人はいなくなりました。
從此以後,再也沒有人向神許願。
人間は幸福を求める。それは自分が幸せじゃないから。彼もそうだった。自分の幸せの為に命を削った。
人類追求幸福,那是因為自身並不幸福。他也與常人無異。為了自己的幸福不斷消耗著生命。
遊ぶことに夢中になって、帰るのが遅くなった泥だらけの自分を優しく叱ってくれる家族がいた。
他擁有一個當自己玩遊戲太入神而耽誤回家時,能夠溫柔斥責滿身泥巴的自己的家庭。
誰よりも勉強して取った、クラスで一番のテストの點數を褒めてくれる家族がいた。
他擁有一個當比誰都努力學習,考試拿到全班第一的分數時,能夠表揚自己的家庭。
溫かい食卓を囲む家族がいた。おはようを言ってくれる家族がいた。おやすみを言ってくれる家族がいた。家族がいた。
他擁有會圍繞著溫馨的飯桌吃飯的家庭。他擁有會對自己說早安的家庭。他擁有會對自己說晚安的家庭。他擁有家庭。
その幸福に気付けなかったのです。
他不能夠察覺到自己的幸福。
きみに觸れて 心が芽生えて
與你接觸後 心中萌生出嫩芽
生きていたいと願ってしまったんだ
居然開始希望自己能夠活下去
―雨に濡れた路地裡の隅で―
——在被雨淋濕的衚衕一隅——
焦げ茶色に煤けたパイプ達。無造作に張られた電線。息を漏らし続けるダクト。その人工的な樹海は街の喧騒から開放された、仄暗い路地裡。
管道被煤煙燻成棕黑色。電線被胡亂拉起。通風管道也在不斷漏氣。這片陰暗的衚衕位於人工樹海之中,免於喧囂街道的打擾。
煙草の吸い殻や、破けたゴミ袋から溢れた生ゴミをまたぎ、路地裡の奧へ進んで行った少年は慣れた足取りで目的の場所へ著くとそっとしゃがみ込む。
少年跨過菸頭,繞過從塑膠袋破洞中滿溢而出的廚餘垃圾,熟練地走向小巷深處,到達目的地後小心翼翼地蹲了下來。
少年は小さな聲でそう言いながら鞄から取り出した數切れのハムを木箱の中へ置く。木箱の住民がそれの匂いを嗅ぐと、むしゃむしゃと食らいついた。
少年一邊小聲說著,一邊從包裡取出幾片火腿放到了木箱之中。木箱中的居民聞到了肉香之後,狼吞虎嚥地吃了起來。
少年は初めてその貓と遭った日から何度もここへ來ては餌を與えていた。しかし七歳の少年に貓一匹を養える程の金銭的な餘裕は當然無い。少年の學校の給食や自分の家の夕食で出されたものをこっそりと持ち出してはこうして貓に食べさせていた。
少年自從第一次遇見黑貓之後反覆來到此處餵食。但是一個七歲的少年理所當然不會有足夠養得起一隻貓的經濟能力。因此少年只能偷偷帶出學校的伙食或者自己家的晚飯,然後將它們餵給黑貓。
そんな生活が一ヶ月近く続いた。
這樣的生活持續了將近一個月。
少年の家の者は、少年が食べ物をどこかへ持って行っている事に気付いていたが、何も言わなかった。
少年的家人雖然注意到了他會將食物帶去某處,但一直保持著沉默。
その日も、少年は夕飯を食べ終えるとすぐに席を立った。
那天少年如同往常一樣,吃完晚飯以後就立刻離開了飯桌。
「お気をつけて。あまり遅くなりませんように――」使用人の言葉を聞き終わる前に少年は家を出る。
「注意安全。不要回來得太晚了——」傭人話音未落,少年就跑出了家門。
きみを救い出せるすべを手に入れても
即使得到了拯救你的方法
―醜いくらいに美しい愛で―
——用近乎醜陋的美麗的愛——
あの子は私を憎んでいるだろうか。
那個孩子會恨我嗎。
私は生きた人間で言うところの二十歳前後の精神を持っているらしい。実際、目覚めた瞬間から私は知識と共に、常識や観念なども植え付けられていた。
用活人來比喻的話,我擁有年齡為二十歲左右的人類的精神狀態。實際上除了知識之外,在醒來的瞬間我就被灌輸了相應的常識與觀念。
それ以前に私は存在しなかったはずなのに、所謂大人と変わらない程の経験や知識を本能として持って産まれてきたのだ。
雖然在這之前我並不存在,但是我卻把接近於成人的經驗與知識作為本能,降生在這個世上。
そして、こうして感情さえも持っている。
並且如你所見,我甚至具有感情。
人工物なのに、私は痛みを知っている。傷を見れば、その苦痛を想像する。でも自分は"痛み"という物を感じることはできない。
明明是人工的產物卻知曉痛覺。看到傷口就會想像當時所受的苦痛。但是我自己卻無法感受到「疼痛」。
人間のように他者の境遇や気持ちに思いを馳せ、喜ぶことも悲しむこともできる。しかし、涙を流すことはできない。
我也可以像人類一樣幻想他人的境遇和心情,並為此喜悅或者悲傷。但是,我無法流淚。
そんな矛盾した自分の存在を時には気味悪く思うこともあった。
我的存在是如此地矛盾,以至於有的時候自己都會感覺到厭惡。
偽物のくせに。――あの子の言葉が頭の中でぐるぐると回り続けている。
明明只是個贗品。——那孩子的話語一直迴蕩在我的腦海之中。
私は偽物だ。悲しいふりをしていただけだった。
我就是贗品。一直偽裝著悲傷的神情。
いつの間にかあの子のことを理解しているつもりになっていた。いつまでも幼かったあの頃のままであるはずがない。
不知不覺中我也能夠理解那個孩子的想法了。他不可能一直保持年幼的樣子。
あの子と手を繋いで歩いたのはいつが最後だろうか。知らないうちにどこかで大人になっていく。嬉しい反面、寂しくもある。
最後一次和他手牽手走在路上是什麼時候的事情了,回過神來他已經成長為大人。雖然感到高興,但又有些寂寞。
あの子と暮らし始めてもう八年。使用人として、付き人として、家族として私はあの子と生きてきた。
與他一起起居的生活已經過了八年。作為傭人,作為隨從,作為家人,我和他一同活到現在。
呪われたあの子の人生に、せめて私だけは。
那個孩子被詛咒的人生當中,至少我可以——。
思いがけず突然に終わりは訪れる。いや――そんな予感はどこかでずっと鼓動を続けていた。
結局的到來總會讓人措手不及。不會的——然而這個預感一直在深處搏動著。
-人生という名の檻の中で―
——在名為人生的牢籠之中——
「それで君はそんな體に?」
「所以你的身體就變成了這幅樣子?」
「……お気の毒に。先祖の過ちが今こうして君を苦しめている」
「……我很遺憾。祖先的犯下過錯如今還在折磨著你。」
「君がここへ來た頃から、私は何度も君に會っていたのに、どうして気付けなかったのでしょうね」
「你來到這裡以後我已經見過你很多次了,為什麼我之前沒有察覺到呢。」
長髪の男は何かを考えるような顔をしながら少し視線を落とす。そのまま思い耽るように黙る男に、少年が呟くような聲で言う。
長髮的男人彷彿在思考著什麼,將視線稍微放低。對就這樣陷入沉思的男人,少年小聲問道。
「僕はもう普通に生きて、普通に死ぬことはできないのでしょうか?」
「我還能夠普通地活著,然後普通地死去嗎?」
そう答えると、少年は驚きや落膽する表情さえも見せなかった。変わらない目線。しばらくの沈黙。男は窓の方へと歩いていく。
聽到回答以後少年並沒有露出驚訝或者失落的神情,他的眼神中看不出情緒的波動。片刻沉默之後,男人走向了窗邊。
「いつからか、君は皇宮に來る時いつもそのマスクを外していませんが、何か理由でも?」
「不知從何時起你每次來到皇宮都不會摘下那副面具,是有什麼原因嗎?」
「……數年前に元老院の一人に、君はご両親のどちらにも似ていないねと言われました。きっと悪気はなかったでしょう。しかしそれから自分の容姿についてとても気になり始めました。父上に似ていないのは自分でも感じていました。僕が物心つく前に母は亡くなりましたし、寫真等も見たことがありません。ですから似ていないと言われた日から、僕は自分があの両親から生まれた子ではないのかもしれないという疑念が生まれ、僕と陛下の関係を知る人間にはできるだけ顔を見られないようにしてきました。僕も杞憂だと思いたかった。でも――」
「……幾年前元老院的一位成員對我說『您和您的雙親都長得不是很像』。他當時應該沒有惡意,但是從此我就開始非常注意自己的容貌。我之前也注意到自己長得並不像父親,而母親在我記事之前就已經去世了,我也從來沒有見過她的照片。因此在他說了那句話之後,我就開始懷疑自己並不是現在雙親的孩子,也儘量避免讓知道我和陛下之間關係的人看到我的容貌。雖然我也希望這是杞人憂天,然而——」
「でも本當に血の繋がりは無かった……か」
「沒想到真的沒有血緣關係……嗎」
少年は俯き、少し亂れた呼吸を整えるように、靜かに息を吸う。
少年低下頭,彷彿是為了整理有些紊亂的呼吸,輕輕地吸了一口氣。
「話を聞いてもらって、少し楽になりました。……ありがとうございます」
「你願意聽我的傾訴,讓我感覺輕鬆了一些。……謝謝你。」
「いえ、力になれず申し訳ございません」
「哪裡,我才是非常抱歉不能成為你助力。」
いつの間にか日が暮れようとしていた。
不知何時窗外已是黃昏。
言葉を探すように、選ぶように黙る。
兩人靜默不語,似乎是在搜尋和選擇合適的話語。
少年は何かを言いたそうな、何かを言ってほしそうな表情だった。
少年欲言又止。
「え?」と少年は思わず聲を漏らす。
「什麼?」少年不禁出聲反問。
あまりの事に聞き間違いだと思った。
說出的話如此驚人,他以為自己聽錯了。
きょとんとする少年に背を向け、男は優しく言った。
看著面露驚愕神情的少年,男人溫柔地重複了一遍。
「復讐しましょう。私も、君と同じなのです」
「我們復仇吧。我,也是你的同類。」
―だれかの心臓になれたなら―
——如果能夠成為某人的心臟——
心臓が鼓動し、管を通り血液が全身を廻り、肉體は存える。保たれる。続いている。
心臟搏動,血液通過血管在全身循環,以此維繫肉體。保持。延續。
幸福と不幸を取り込み融けていく。形を変える。悲喜を噛み締め、吐き出し、また腹を空かせる。
將幸福與不幸吸收融化。變換形狀。將悲喜咬碎、吐出、又重新回歸飢餓。
肉體と同じだ。原動力となる心臓が血液を運び、存える。保たれる。続いている。
和肉體同理。作為原動力的心臟運輸血液,以此維繫。保持。延續。
形は無い。目には見えない。その命を必要とするもの。
沒有形狀。無法用眼睛鑑別。同時又需求著它的生命力。
君の心が壊れたり、失われていないのは、きっとどこかでその心臓がまだ動いているからだ。
你的心還沒有被破壞、丟失,是因為它的心臟肯定還在某處跳動著。